これは築40年のRC造マンションの5LDKから住居兼事務所の大空間のワンルームへの全面スケルトンリノベーションである。

大空間のワンルームの中心に水廻りの島を配置した。

一直線に続く家事動線を作り、日常の生活動線はもう一方で各個室へアプローチできるようにしている。

この回遊できる島を中心に配置する事により、家事動線と生活動線の2つの動線が生まれ、住居と事務所という機能の両立を図っている。

省CO2を考慮し、新たに施工した床下には断熱材を入れ、建築資材の使用を控えるために既存の躯体に遮熱、断熱塗料の塗装仕上げとして大空間のワンルームでありながら夏季、冬季でもエアコン1台で快適な住環境を実現した。

上部にLEDの間接照明が組み込まれた高さ1800mmとした各個室の間仕切壁はマンションでは暗くなりがちである各個室の採光を確保しながら南東の開口部から北西の開口部へ抜ける通風を確保している。

床暖房と既存RC躯体を活かした最もシンプルなパッシブデザインを用いて四季を通じてどの部屋にいても常に一定な安定した住環境としている。

適度のプライバシーを確保しながら、どの場所にいても家族や風景の気配を感じられ、全てがひとつにゆるやかにつながる曖昧さの中から生まれる新しい空間の魅力を目指した。

私は1つの最小限の行為で、最大限に空間の魅力が生まれると考えている。